なぜ手放せないか
柔らかすぎる寝具は、身体を包んでくれるようでいて、実は腰を沈めて朝に痛みを残す。これは適度に押し返してくる。釣り糸状の素材が反発し、寝返りを邪魔しない。旅で固まった背中が、一晩でほどけていくのがわかる。眠りの質は、旅の質に直結する。
蘊蓄をひとつ
中材を丸ごと水で洗える、というのが個人的には決定打だった。汗をかく季節、長期の不在で湿気を吸った寝具——それをシャワーで流してまっさらに戻せる。眠りという最もプライベートな時間を、いつでも清潔に保てる安心は、思いのほか深く効く。
家での相棒ぶり
帰国の夜、ここに横たわった瞬間に旅は本当に終わる。そして数日後、回復した身体は懲りずに次の航空券を検索しはじめる。よく眠れる家は、よく旅立てる家でもある。
